作品紹介
1984年の東京。フィットネスクラブのインストラクター・青豆は、タクシーの非常階段から首都高速を降りたとき、自分がいつの間にか「1Q84年」と名づけた別の世界に足を踏み入れていたことに気づく。一方、予備校講師で小説家志望の天吾は、謎めいた少女・ふかえりの書いた小説のリライトを引き受け、宗教集団「さきがけ」の秘密に深く関わってゆく。
幼い日に手をつないだだけで別れた青豆と天吾——ふたりは知らず知らず、同じ「1Q84年」を生きていた。夜空に浮かぶふたつの月、見えない存在「リトル・ピープル」、そして宗教・暴力・孤独といった重いテーマを、村上春樹ならではの流麗な文章と独自の世界観で紡ぐ、大長編小説。シリーズ全3巻合計で発売初年度にミリオンセラーを記録し、世界40か国以上で翻訳・刊行されました。
ジョージ・オーウェルの『一九八四年』を下敷きにしながらも、村上春樹独自の愛と救済の物語として昇華されています。恋愛、ミステリー、ファンタジー、純文学の要素が重なり合う、読みごたえ満点の一作です。
読者レビュー
10年以上本棚に眠っていたのですが、読み始めたら面白くてぐいぐい引き込まれました。超長編小説なのに冗長な展開が一切なく、素晴らしいの一言に尽きます。今更ながら、天才とはこういう人のことを言うのだと実感しました。
リアリティとファンタジーが絶妙に融合していて、非常に引き込まれる作品です。登場人物たちの心の揺れ動きや内面の葛藤が丁寧に描かれていて、共感できる部分も多い。物語の全容が少しずつ明かされていくドキドキ感がたまりません。
不思議なのに現実味のある独特な世界観は好き嫌いが分かれると思いますが、それが面白い。青豆と天吾の物語が交互に進んでいく構成はテンポよく読める一方、性描写が多めなので、そのあたりが気になる方には合わないかもしれません。
手軽に「文学的な気分」を楽しめる作品ではあるが、洒落た会話や視覚的な情景描写に比べて、風刺も機知も感じられない。BOOK1・2を読み終えても「で?」という気分が解消されず、ノルウェイの森の頃のような深みが見えにくかった。
※ レビューはブクログ・Amazon カスタマーレビューに投稿された実際の感想をもとに要約・引用しています。架空のレビューは含みません。
著者プロフィール
書誌情報
参照:新潮社公式サイト「1Q84」特設ページ